毎年クリスマスを過ぎると、百貨店やスーパーでは一斉にお正月準備用品が並び始めます。
おせち料理に必要な具材も、グンと増えますね。
今さらですが、おせち料理の意味と、種類には何があるのでしょう。
自分のための覚え書きでもあります。

おせち料理の意味と種類
おせち料理は、「御節供料理」と書くように、五節句の祝儀料理のこと。
後に、五つのうち最も重要な「人日の節句」の、正月料理を指すようになりました。
正月料理は、江戸時代の武家作法が中心となって形作られていて、
おせち料理一つ一つには、それぞれ意味があります。
【 一の重 】 祝い肴・・・黒豆、数の子、田作り、など
【 二の重 】 焼き物・・・鯛、伊勢えび、など海の幸
【 三の重 】 煮物・・・・煮しめ、など山の幸
【 与の重 】 酢の物・・・紅白なます、酢れんこん、など
- 『黒豆』は、一年中まめ(健康)でいられるように
- 『数の子』は、ニシンの卵で、数が多く、子孫繁栄を願って
- 『田作り』は、カタクチイワシを田んぼの肥料にしたことから五穀豊穣の願い また、ごまめ(五万米)ともいわれています。
- 『伊勢えび』は、ひげが長くて腰が曲がっていることから、長寿を願う
- 『昆布巻き』は、よろこぶ の語呂合わせ
- 『栗きんとん』は、栗の実を搗いた搗ち栗(かちぐり)は、勝ち、きんとん(金団)は、金銀財宝で、金運を願う
- 『くわい』は、最初に大きな芽が出ることから、めでたい の意
健康、子孫繁栄、五穀豊穣、長寿、金運、と、今も昔も人々の願い事は変わらないのです。
伝統的なおせち料理
おせち料理のなかで、黒豆・野菜の煮しめ・昆布巻きなど下準備に日を要するものや、
数の子・なます・さわらの味噌漬けなど、味をしみ込ませるものは、早めに準備します。
田作り・栗きんとんなどは、間際でも大丈夫です。
<黒豆の作り方>
黒豆(丹波篠山産)・・・390g(6dl:3合)
砂糖・・・・・・・・・・280g
しょう油・・・・・・・・50 cc
1. 黒豆は水洗いしてたっぷりの水に一晩つける
2. つけ汁のまま豆がかぶるくらいに水を加減して火にかける
3. 初めは強火、煮立ったら弱火にして5~6時間コトコト煮る(水がなくならないよう注ぎ足す)
4. 指で押し潰れるほど柔らかくなったら火を止め、蓋をしたまま冷めるまでそのままおく
5. すっかり冷めたら、豆が浸る程度の煮汁の量をはかって一旦豆を取り出す
6. 同量の新しい水に、1/3の分量の砂糖を加えて煮立て、豆を加えたらごく弱火で熱くなる程度に静かに煮含めて一日おく
7. 次の日煮汁だけとって、1/3の分量の砂糖を煮立てて、豆をもどして一日おく
8. 次の日同じようにして、豆を加えて最後に汁を煮つめるとき、しょう油小1・塩少々で味をひきしめる
<数の子>
塩漬け数の子・・・150g(中3本)
だし汁・・・・・・1/2 C
酒・・・・・・・・大 2
しょう油・・・・・大 1
塩・・・・・・・・小 1/4
1. 塩漬け数の子は、たっぷりの水に一晩つける
2. 流し水の中で、白い薄皮をていねいに取る
3. だし汁に調味料を入れて煮立て、冷ましておく
4. 密閉容器に一口大に切った数の子を入れ、だし汁を注いで漬け込む
<紅白なます>
大根・・・・・300g (塩 小 1/2)
金時人参・・・30~50g (塩 小 1/4)
甘酢・・・・・砂糖 大 3
酢 大 3~4
塩 小 1/2
水 大 2
1. 甘酢を煮立てて冷ましておく(日持ちがよくなる)
2. それぞれセン切りにして、塩を振り10分おく
3. 水で洗って固くしぼる
4. 甘酢に1~2日漬け込む
※ 干し柿の細切りや柚子などを入れてもおいしい
<田作り>
ごまめ・・・・100g
しょう油・・・大 5
砂糖・・・・・大 6
酒・・・・・・少々
1. ごまめは、フライパンで焦がさないように弱火で十分煎る
2. 粗熱がとれたら、カスをふるい落とすようにして手で取り出す
3. 調味料を煮立て、糸を引く程度にゆるいあめ状にして
4. 手早くごまめを加えて火を止める
5. 全体をかき混ぜてからませる
<栗きんとん>
金時いも・・・・・600~700g
水・・・・・・・・5C
焼きミョウバン・・大 1
1. 金時いもを 2cm くらいに切って、焼きミョウバンを入れた水の中に30分ほどつけておく
2. さっと洗って鍋へ。 水をかぶるぐらいに入れて火にかけ、塩少々加えてゆでる
(くちなしの実を入れると色が鮮やかに)
3. 熱いうちに裏ごしし、砂糖 1.5C( あまり甘くない方がよければ1C )と甘露煮の汁少々加えて火にかける
4. 木じゃくしで混ぜながら、トロッと落ちる硬さまで練る
5. 栗と、みりん 大 2 を加えてつやよく仕上げる
定番のおせちの他に、口取りとして数品加えます。
・ 市松のしどり
・ ゆり根のイクラ和え
・ スモークサーモンのきぬた巻き
・ 牛肉(又は豚ロース)の西京味噌漬け
2013年和食が、世界無形文化遺産となりました。
各地方に伝わる伝統的なおせち料理の食文化は、
ずっと後世に引き継いでいってほしいものです。