気象庁では、「エルニーニョ監視速報」を毎月10日に発表しています。
2014年5月の発表では、
『夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い』
としています。
海洋表層の水温が、エルニーニョ現象の発生前によく見られる状態で、
「冷夏」になり、「台風」が多発 「豪雨」も多くなる可能性があるようです。
1997年に、20世紀最大規模といわれたエルニーニョが発生したときは、
世界中で異常気象が起きました。
1997年11月 → エルニーニョ現象による水温変化
過去最大の +3.6℃ を記録
その影響で、米西海岸では大洪水が発生し、オーストラリアでは
乾燥による山火事が多発しました。
またフィリピンでは、深刻な水不足が起きました。
今回はそれ以上、観測史上最大のエルニーニョが発生するかもしれない
といわれます。
エルニーニョ現象とは
南米ペルー沿岸から太平洋赤道付近の日付変更線にかけた広い範囲で
海面水温が、平年の水温よりも高くなる状態が1年程度続く
海洋現象のことです。
日本への影響
通常東から西へ流れる貿易風が弱まると、
西へ(南米大陸から太平洋へ)移動するはずの暖水が、
ペルー沖に留まってしまいます。
暖水の上空には雲が発生し、これに対応して太平洋高気圧も強くなり
西からずれて東側に留まります。
一方、西(インド洋)からのモンスーン(季節風)による
チベット高気圧も、弱いと西側に留まり、
日本上空は、双方の高気圧の谷間となり「冷夏」になります。
1997年のエルニーニョ現象のときは、
通常台風が日本列島に接近しにくいとされる6月に、
観測史上初めて2つの台風が上陸し、7月には3つめが上陸。
各地に大きな爪痕を残しました。
2009年には、7月、九州北部に豪雨被害が発生しています。
エルニーニョ現象が発生すると、日本では梅雨が長引き
冷夏になりやすい傾向になります。
長雨・低温の影響で、野菜の卸価格が高騰しました。
湿った風が入りやすい状況だと、湿度が高くなります。
冷夏といっても30度くらいの暑さはあり、熱中症には要注意です。
湿度が10%増えただけで、熱中症にかかる人は倍になるそうです。
”暑さ指数”をチェックして、十分注意しましょう。
[ 暑さ指数 ⇒ 熱中症の起こり易さを示す数値 ]
気温 1 : 地面や建物から出る熱 2 : 湿度 7