2013年3月、愛知県沖のおよそ1300メートルの海底から天然ガス採取、
という世界初の快挙を、日本が成し遂げました。
海底掘削船「ちきゅう」が採取した、”メタンハイドレート”は、
日本近海一帯に、およそ100年分ぐらいの埋蔵があるらしく、
日本のエネルギー問題解決の切り札になるといわれています。
では、メタンハイドレートって・・?
メタンガスと水が結晶化した物質で、「燃える氷」と呼ばれたりします。
CO2排出量は、石油の70%、燃えた後は水が残るだけなので、
地球にやさしい次世代エネルギーとして期待されているのです。
そもそもメタンハイドレートは、
海底に堆積した生き物の死骸から出たメタンガスが、
海の底の冷たい地層と高い水圧で、氷のように固まったもの。
いわば、”凍ったガスの塊”で、
深海の底や永久凍土の地下に、存在するそうです。
けれどこれまでは、それをどうやって取り出すか
という問題を、解決できずにいたわけです。
そこで、開発された画期的な方法が、
∇ 海面から1300メートルまでパイプを下ろし、
∇ メタンハイドレートのある層に井戸を掘って、
∇ 水を汲み上げて圧力を下げる(減圧)
∇ 固体であるメタンハイドレートを、メタンガスと水に分解する
この減圧法という方法により、メタンガスだけを取り出すことが可能になったのです。
海底から固体のまま取り上げるより、
ガスにして管の中を吸い上げる方が、量が多く取れるのです。
日本は周辺が海で、ハイドレートは膨大にあると推測され、
この快挙に政府も大いに期待をよせているとか。
5年後の商業化を目指して、開発加速に力を入れていくそうですよ。
世界初の成功、そのすごさとは・・?
これまで、日本のエネルギーは、96%が輸入に頼っているそうです。
世界で天然ガスの輸入量が一番多く、しかも一番高い値段で買っているのだとか。
メタンハイドレートは、
触ると冷たい氷のような物質で、火をつけると燃えます。(だから燃える氷)
メタンハイドレートから得られるガスは、
およそ、 固体で1㎥ ⇒ メタンガス約160~170㎥ で、
都市ガス・発電燃料・天然ガス車・燃料電池など、
さまざまなエネルギーとして利用可能です。
3000メートル下まで掘削する海底油田に比べれば、はるかにラクで
しかもその技術は、日本が世界のトップだそうです。
この技術さえも”売る”ことができ、
何百億とかかっていた開発費用も元が取れて、利益が出るかも。
そうなると、私たちにとってはガス料金・電気料金が安くなる。。
10年くらい先の話ですが。。
課題として、採算コストなど経済的な問題はあるようですが、
メタンハイドレートの良い点は、
◇ 国産エネルギーの確保
◇ 石油や石炭に比べて燃焼時の二酸化炭素CO2の排出量が少ない
今の技術のままでは、輸入価格の3倍以上かかってしまい、
より採取量を増やすための技術革新が、不可欠です。
改良を重ねて、5年後には生産技術を確立して、
さらに3~5年くらいで国産燃料として生産、となるのでしょうか。
国産エネルギーがあることで、選択肢が増え、
言い値で買わざるを得なかった「石油」や「石炭」などの
価格交渉ができるようになる、可能性があるわけです。
日本を変える”夢の資源”ですね。