土用の丑の日に食べる”うなぎの蒲焼”は、夏バテ防止の滋養強壮として
私たち日本人にとっては欠かせない食習慣となっています。
日本で供給されるウナギは、およそ6割が中国や台湾からの輸入で
国産はおよそ4割となっているそうです。
ニホンウナギは、
世界で19種いるウナギの一種で、
日本近海・朝鮮半島からベトナムまで、
東アジアに広く分布しています。
私たちが食べているほとんどは、日本や台湾・中国で稚魚を養殖した
「ニホンウナギ」なのです。
絶滅危惧種に指定
この「ニホンウナギ」が、昨日6月12日”絶滅危惧種”に指定されたのです。
世界の科学者たちで組織されている国際自然保護連合(IUCN)が、
絶滅の危険性が2番目に高い”絶滅危惧ⅠB類”に指定し、
レッドリストに加えたことを発表しました。
レッドリストとは、
絶滅のおそれがある野生生物のリストで、
絶滅の危険性に高さによってカテゴリーが分かれています。
- 絶滅
- 絶滅危惧
- 危急
- 希少
リストで指定されているのはおよそ2万種類で、
専門分野の研究グループが調査し、絶滅危惧の度合いを査定します。
レッドリストに法的な拘束力はないのですが、
野生生物の国際取引を規制する”ワシントン条約”で
規制の対象を決める重要な参考資料にはなりそうです。
そのため2016年に開かれる条約の会議で、輸入などの取引に
制限がかかる可能性があるのです。
今後どんな影響が?
ニホンウナギが対象になれば、
・ 輸出の際に、輸出国の政府許可証が必要になります。(稚魚を含む)
・ 商業目的の国際取引や公海での水揚げが禁止、となる可能性も。
国産品の養殖ウナギの稚魚も輸入に頼っている現状で、
純国産は希少な状態なのです。
今後乱獲を抑えて、ウナギの生息環境を整えていくことが必要と思われます。